将来の夢
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私が子どもの頃にはもちろんそんな行事はなかったし、
このページの読者にも知らない方が多いのではないか。
なにかといえば、10歳になった記念のお祝い行事である。
保護者から子どもへの手紙を渡したり、
子ども達はお礼の歌を歌ったり、
一人ずつ将来の夢を語ったり、そんな感じのものだ。
まあ、泣ける儀式ではあるのだが、
ここ1ヶ月半ほど、私とにょーぼは、
結構ハラハラと落ち着かない日々を過ごしていた。
子ども宛の手紙を書くのに四苦八苦していたというのもあるのだが、
一番問題だったのは
こーすけの「将来の夢」である。
なにになりたい?
「仮面ライダー」
ちょっとまて。
春には5年生になるのである。
流石にそのまま言わせるのはどうなのか。
にょーぼが
「役者さんになって『仮面ライダーになる人』を演じたいのか、
中に入ってアクションする人になるのか、どっち??」
と詰め寄ったところ、
まあ、なんとか『役者さん』に落ち着いたらしい。
なら「役者になりたい」でいいだろうに、
「仮面ライダー」ははずせないらしい。
しょうがないかと諦めていたのだが、
当日、仕事から帰ってにょーぼから話をきくと
「いや、立派だったよ」
と。
?
立派?
仮面ライダーが?
訝りながらもビデオをみる。
ああ、小学生とは音痴なものだなぁなどと思いつつみていれば、
問題の「将来の夢」の発表だ。
舞台を全体集会の体育館から教室へ移し、
クラスごとの発表になる。
体育座りの子ども達が一人ずつ立ち上がっては発表していく。
曰く 「外国に行って勉強して三ツ星シェフになりたいです」
曰く 「子どもが好きだから幼稚園の先生になりたいです」
エトセトラ、エトセトラ。
さあ、こーすけだ。
「将来は役者になって仮面ライダーの役をやり
子ども達を楽しませたいです!」
ああ!
なんと見事な本音と建前の融合か!
そんな事まで考えつくとは、確かに立派だ。
父も母も感動したよ。
当世、仮面ライダー役者になるのは本当に大変だと思うけど、
頑張りたまえ。
応援するよ。